「テンテンHI3300」開発秘話|一本でPCの柱・梁・床に対応する20t仕様
複数の天秤が必要だったPC工事を一本化。最大耐荷重20t、150mmピッチの吊り穴、溶接ゼロの板状構造で高強度と汎用性を両立した「テンテンHI3300」の開発ストーリーを紹介します。
製品開発ストーリー|テンテンHI3300 編
複合化・高耐荷重・高対応力。PC現場のために生まれた次世代棒天秤。
初出荷:2024年6月
用途:PC工事(柱・梁・床・建て起こし)
最大吊り荷重:20t(二点吊り)
構造:板状一体構造(吊りピース溶接箇所ゼロ)

開発ストーリー
■ 複数の天秤を「1本」に
開発の出発点は、極めてシンプルな現場の本音でした。
PC工事の現場では、用途ごとに複数の天秤を使い分けるのが当たり前でした。
しかし現場からは、こんな声が上がるようになります。
「何本も天秤を入れて段取り替えしたくない。
1本で、柱の荷下ろし・建て起こし・床・梁までまかなえないか?」
PC現場の増加に伴い、この一本化ニーズは急速に高まりました。
このニーズに応えるためにスタートしたのが、テンテンHIシリーズの開発でした。
当初は2400mmでの試作からスタート。
現場検証を経て、再開発マンションの主な柱長(約3m)に最適化した
3300mm仕様が正式モデルとして誕生しました。
■ 長さと強度の最適解
開発にあたっては、
- 全長
- 重量
- 吊り穴ピッチ
- 強度構造
についての打合せを実施。
最終的に3300mm/吊り荷重20t(二点吊り) という仕様に決定しました。
吊り荷重を20tまで高めた理由は、
ゼネコンのPC工場で使用される門型クレーンの最大能力に合わせるため。
これにより、より広範囲の現場で使用可能な性能を実現しました。
■ 構造のこだわり
テンテンHI3300の最大の特長がこの構造です。
- 板状一体構造
- 溶接箇所ゼロ
- 高剛性・高耐久
- 精度の安定
■ 20t耐荷重を実現する理由
吊りピースを溶接せず、板状一体構造を採用することで、
二点吊りで最大20tの重量物にも耐えられる強度を確保しました。
■ 高い汎用性を実現
さらに、150mmピッチの「吊り穴方式」 を採用。
- さまざまなインサート位置に対応
- 多様なPC部材や重量物を吊ることが可能
これにより、現場での柔軟な作業を支援します。

さらに、この150mmの間を細かく狙えるよう、専用アタッチメント も用意されています。
■ 一本で、ここまでできる
テンテンHI3300は以下すべてに1台で対応します。
- 柱の荷降ろし
- 柱の建て起こし
- 梁の揚重
- 床材の揚重
「マンション柱に最適化された長さ」ではありますが、
それだけにとどまらない汎用性の高さが大きな魅力です。
■ 現場で見えてきた課題
実際の使用から、いくつかの改善点も見えてきました。
- 脚部の安定性
- チェーンブロックとの干渉
- 連層足場との接触
- 板状構造のため「分割できない」点
これらは現在、次期モデルや付属品の改良で解決を進めています。
■ 今後の展望
より幅広い現場で活用できるよう、改良や付属品の追加などを検討中です。
現場の声を反映しつつ、より使いやすく・安全性の高い完成形を目指す予定です。
担当営業のコメント
「現場の鳶さんと一緒に仕様を詰め、
安全性と汎用性を両立させた一本に仕上がったことが大きな成果です。
これからも現場に寄り添った提案を続けていきたいです。」
— 担当営業より
初出荷
- 出荷時期:2024年6月
- 形態:協和ロープ リース品として運用開始
